【NYSE】米国株やってる人の溜まり場1866【NASDAQ】

かわいそかわいそなのれす

①現在のキャピタルゲイン税は所得税と同様、累進課税である。
1年以上の保有期間の譲渡益にかかる税率は所得水準次第。
4万ドル以下の総所得の場合、CG税率は０％。
1年未満の保有期間で得た売買損益はそもそも所得税に該当するため、
ロビンフッダー等の短期筋はCG税を払わず収益次第ですでに重く課税

②今回の発表内容は現行のキャピタルゲインの最高税率
（現在、総所得44万ドル以上）の20％を39.6％に引き上げる。
オバマケア関連の加算される特別投資所得税の3.8％を維持し、国税レベルでCG税が43.4%に。
投資損益を課税する州もあるので、カリフォルニア州等においては最高税率が56.4％に。

③最高税率の43.4％の対象は総所得100万ドル以上の納税者。
米国は日本と違い、全世帯で確定申告を必ず行う。
2018年（IRSのサイト上にある最新のデータ）ベースで、153,774,296件の確定申告のうち、
539,207件が100万ドル以上。全体の0.35%。

④0.35%しか対象にならない税率はなぜここまで騒がれるのか。
一つは米国の強みである起業カルチャー。エクイティで豊になったシリコンバレーの起業家は
当然、長年自分の株を保有し、成功して売却した場合はCG税対象となる。
この税率が所得税並みかそれ以上であれば、そもそも起業のリスクをとるのか。

⑤選挙前に一度ウェビナーで民主党の政策を紹介したが、法人税やキャピタルゲイン税の増税は
単純に財政赤字対策ではない。彼らが問題視している米国の社会的経済的格差問題への答えである。
コロナ禍対策で膨らんでいる政府債務の歯止めは重要だが、
格差是正に比べたら二の次かもしれない。

⑥共和党も民主党の一部も重税に反対している現状を考えると、法人税の増税幅同様、
キャピタルゲイン税が最終的にどこまで増税されるかは未知数。
民主党の目玉政策である以上、上がるのは確実であろう。
緩和・財政バブルがまた、新たなリスクファクターを意識しはじめた。

⑦仮想通貨や不動産等もキャピタルゲイン税対象であるため、
株だけはなく、投資全般に影響が及ぶ。